当クリニックで行う予防接種について

の予防接種イメージ

まず、予防接種には定期接種(公費負担:費用のかからないワクチン)と、任意接種(自費で接種するワクチン)があります。

定期接種

ロタウイルス、BCG、Hib、小児用肺炎球菌、MR(麻疹風疹混合)、日本脳炎、二種混合、四種混合(三種混合 + 不活化ポリオ)、五種混合(四種混合+Hib)、B型肝炎、水痘、子宮頸がん

任意接種

おたふくかぜ、三種混合ワクチン、A型肝炎、インフルエンザ、ツベルクリン反応

定期予防接種の対象年齢とスケジュール

詳しくはこちらから

予診票の事前記入について

予防接種を受ける際には母子手帳は忘れずにお持ちください。
事前に予診票を記入しておいていただくとご来院から接種までにお待ちいただく時間をできる限り短くすることができますのでご協力いただけると幸いです。

1. 定期接種
定期接種のワクチンについては各自治体よりワクチン接種の予診票が送られてきます。
該当箇所にご記入いただいた上でお持ちいただくとよりスムーズです。お手元にない場合は区役所の担当部署にお問い合わせください。
2. 任意接種
任意接種のワクチンについては自治体から予診票は送られてきません。ムンプス(おたふくかぜ)・三種混合については当ホームページからダウンロード・プリントアウトしていただき事前に記入いただくことが可能です。その他のワクチンも接種当日もしくは事前に当クリニックに用意してある予診票に記入をお願いすることになります。
可能な限り事前記入にご協力をお願いいたします。

百日咳予防のための「三種混合ワクチン」の追加接種について

学童期のお子様における百日咳の流行がみられております。
原因として学童期の「百日咳抗体価の低下」が考えられております。

いずれも任意接種(自費)となりますが、予防のための接種を推奨しております。

  • 年長さん時のMR2期のタイミングで3種混合を同時接種
  • 11歳時のDT(2種混合)接種を3種混合に変更して接種

尚、いずれも自費(6,000円)となります。接種ご希望の方は医師にご確認ください。ワクチンは常備していないため、取り寄せになります。何卒ご了承ください。

三種混合ワクチンの詳細と予診票はこちらから

ワクチンの同時接種について

同時接種とは、2種類以上のワクチンを1回の通院で接種することです。効果や安全性は単独で接種したときと変わりません。
日本の赤ちゃんが1歳前に接種する主なワクチンは6~7種類。何回か接種するワクチンもあり、接種回数は15回以上にもなります。また生ワクチン接種後は、4週間あけなければ次のワクチンが接種できません。

そこで、有効なのが同時接種です。同時接種は必要な免疫をできるだけ早くつけて子どもを守るだけでなく、保護者の通院回数を減らすことができます。世界中の小児科医が同時接種をお奨めしているのは、予防接種スケジュールが簡単になり、接種忘れなどがなくなる(接種率があがる)だけでなく、予防という本来の目的を果たす意味で非常に重要だからなのです。

ワクチンについて

定期接種:インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン

乳幼児の細菌性髄膜炎の主な原因菌である「インフルエンザ菌b型(略してHib(ヒブ))」のワクチンです。尚、これは冬に流行する「インフルエンザウィルス」とは全く別のものです。
Hibによる髄膜炎は5歳以下、特に生後3ヶ月から2歳くらいまでがかかりやすく、命を落とすことも多く、知的障害や癲癇(てんかん)などの後遺症が残ると言われています。

対象
生後2か月から開始。4~8週間隔で3回、3回目から7か月以上あけて1歳すぐに4回目を接種します。5歳未満は公費負担(無料)です。

定期接種:小児用肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌による髄膜炎や敗血症、喉頭蓋炎などの重い感染症を予防する小児用ワクチンです。

対象
生後2か月から開始。4週間隔で3回接種します。2か月以上後、標準的には1歳から1歳半に4回目を接種して完了です。5歳未満は公費(無料)です。

定期接種:ロタウイルスワワクチン

ロタウイルスは乳児の胃腸炎を起こす代表的なウイルスです。嘔吐がひどく水分がとれなくなると脱水になり重篤な状態になります。小さい子ほど入院して点滴する必要性が高くなります。胃腸炎関連けいれんや脳炎を合併することもあります。

対象
ワクチンにはロタリックス(1価:生後24週までに二回接種)とロタテック(5価:生後32週までに三回接種)があります。いずれのワクチンも飲むワクチンで初回は生後14週までに始めて、4週以上あけます。
当クリニックではロタテックを採用しております。違う病院でロタリックスを接種しており、二回目ご希望の際はご連絡ください。

定期接種:B型肝炎ワクチン

代表的な肝炎を起こすウイルスです。感染が続くと慢性肝炎、肝硬変や肝がんになることもあります。

対象
生後2か月から接種できます。初回から4週以上あけて2回目、さらに20~24週あけて3回目が標準的な方法です。

定期接種:四種混合ワクチン

4種とは、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオを指します。ジフテリアとポリオは国内での感染はほとんどありませんが過去には重症者が出ていました。百日咳は乳児では重症の咳や呼吸困難で命に関わることもあります。破傷風は怪我をした傷口から菌が入り、痙攣や麻痺をきたす死亡率の高い疾患です。

対象
生後3か月から開始。3~8週間隔で3回接種します。6か月以上後、標準的には1年から1年6か月後に4回目を追加します。7歳6か月までに完了するようにしましょう。
ヒブ、肺炎球菌、ロタウイルス、B型肝炎ワクチンなどと同時接種が可能ですので、4週間ごとに同時接種で受けましょう。追加接種も、ヒブ、肺炎球菌ワクチンの追加接種と同時接種が可能です。

定期接種:BCG

結核を予防します。結核は成人では肺結核の長引く咳や熱が有名ですが、乳児では全身に結核菌がめぐって髄膜炎や粟粒結核という致死的な疾患を起こします。

対象
11か月(1歳未満)までに接種します。ヒブ、肺炎球菌、4種混合の接種がひと段落する生後5か月以降に接種することが多いです。

定期接種:水痘

みずぼうそうとも呼ばれるウイルス感染です。全身に水疱疹が多発し、髄膜炎などになると重篤な状態にいたることもあります。帯状疱疹も同じウイルスが原因で発症します。

対象
1歳から接種できます。1回目の接種後約3か月たったら2回目を受けるようにしましょう。1回目の接種の際は、MRワクチン、おたふくワクチンと同時接種できますので、なるべく受けるようにしましょう。

定期接種:日本脳炎

蚊が媒介する日本脳炎ウイルスの感染で、急性脳炎を引き起こします。半数程度の方が後遺症を残す、治療法のない重篤な疾患です。日本での発症はきわめて稀ですが、東南アジアなどで流行があります。

対象
生後6か月から7歳半まで接種可能です。標準的には3歳で2回(1~4週間隔)、その後に6か月以上あけて4歳頃に1回接種します。9~12歳に第2期の接種を追加します。

定期接種:MR(麻疹・風疹)

麻疹(はしか)は発熱、発疹から肺炎や脳炎などの合併症をきたす疾患で、非常に強い感染力があります。風疹は「3日はしか」とも呼ばれた発熱、発疹をきたす疾患で、妊婦が感染すると赤ちゃんに重篤な障害が出る可能性があります。

対象
1歳代で初回接種をします。できるだけ1歳になったらすぐに接種するようにしましょう。2期は小学校入学前の1年間に行います。

定期接種:子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がん予防ワクチンは、発がん性HPVの中でも特に子宮頸がんの原因として多く報告されているHPV16型と18型の感染を防ぐワクチンです。海外ではすでに100カ国以上で使用されています。
感染を防ぐために3回のワクチン接種で、発がん性HPVの感染から長期にわたって身体を守ることが可能です。
しかしこのワクチンは、すでに感染しているHPVを排除したり、子宮頸部の前がん病変やがん細胞を治す効果は無く、あくまで接種後のHPVを防ぐものです。

予防ワクチンの種類と接種方法
子宮頸がんワクチンは。「サーバリックス」と「ガーダシル」の2種類あります。
どちらのワクチンも公費で接種できます。(どちらかのワクチンを接種すると、途中から他方のワクチンに変更することはできません。)
これらのワクチンは1~2回の接種では十分な抗体ができない為、半年の間に3回の接種が必要です。
尚、接種期間の途中で妊娠した際には、その後の接種は見合わせることとされています。
接種スケジュール
サーバリックス:2回目:1回目の接種から1ヵ月後→3回目:1回目の接種から6ヵ月後
ガーダシル:2回目:1回目の接種から2ヵ月後→3回目:1回目の接種から6ヵ月後
接種後に見られることがある症状
ワクチン接種後に接種した部分が痛むことがあります。注射した部分の痛みや腫れは、体内でウイルス感染に対して防御する仕組みが働くために起こるもので通常数日程度で治まります。

任意接種:おたふく風邪

ムンプスウイルスの感染で、発熱や耳下腺(耳の下にあるだ液腺)の腫れが特徴です。頭痛をきたす髄膜炎や難聴や精巣炎など重い合併症もあります。
そのため、当クリニックでは任意接種ではありますが接種を推奨しております。

対象
1歳から接種できます。MRワクチンと同様に1歳頃と5~6歳の2回接種が薦められています。
尚、任意接種になりますので自費(6,000円)となります。

おたふく風邪ワクチンの詳細と予診票はこちらから